会社でも海外旅行でも困らない英語力って何点ぐらい?
就職が決まった大学生の皆様、そして、仕事を覚えたてのフレッシャーズの皆様、こんなことを会社から言われていませんか?「TOEIC®のスコア、最低でも○○○点は目指してね」と。あなたが英語を得意としているなら、ここから先の文章は読まなくてかまいません。しかし、「私、英語苦手なんだよね・・・」と思っているなら、ちゃんと読んでください。
さて、「○○○点」の部分は会社によってさまざまだと思います。英語力が高く求められる業界、業種だったらそれなりのスコアが要求されるでしょう。また、そうでない会社でもTOEIC®のスコアを要求してくるのだから、あまりに低い点数は提示してこないはずです。
では、実際のところ、日本人はどれくらいTOEIC®のスコアが取れているのでしょうか?TOEIC®を主催する「国際ビジネスコミュニケーション協会」の調査によりますと、2013年度の日本人の平均スコアは512点。決して高くはありません。
(出典:http://www.toeic.or.jp/press/2014/p016.html)
他のアジア諸国はどうでしょうか。中国は716点、韓国は632点、台湾は569点となっています。TOEIC®のスコアだけで多くを語るわけにはいきませんが、皆さんなかなかがんばっているようです。
「この人、英語得意なのだな」と思ってもらうためには何点必要?
英語力をアピールしたいなら平均点で満足してはいけない。さて、このような事情を鑑みた上で、「この人、英語得意なんだな」と思ってもらうためには最低限どのくらいのスコアが要求されるのか考えてみましょう。一般的に、企業が新卒者に求める最低限のスコアは500点程度となっているようです。
(出展:https://www.eigotown.com/jobs/special/toeic_score/toeic_score.shtml)
先ほどのTOEIC®受験者の平均スコアとあまり差がありませんね。
でも、英語で自分をアピールしたいのだったら、平均点で満足していてはいけません。とはいえ、いきなり高いスコアをたたき出すのはかなり難しいもの。では、まずどれぐらいの点数を狙ってみたらいいのでしょうか。
一つの提案としては、600点を目標とすることをオススメします。これはどれぐらいの英語のレベルかというと、「海外旅行で食べたいものが自由にオーダーでき、買い物も不自由なくできる」レベルです。とりあえずは困らない、ということですね。企業でも、コンピュータで有名な日本IBMが課長職昇進の要件としてこのスコアを基準にしています。
リスニングで350点、リーディングで250点の合計600点は不可能じゃない
「600点か・・・難しいな」と思うかもしれません。でも、戦術を立てて臨めば、決して不可能な点数ではありません。そこで、「短期間で600点を取る」ということにフォーカスした勉強方法を今からお伝えします。
TOEIC®のテストは、「リスニング」と「リーディング」の2つからなります。このうち、リスニングは英語に耳を慣らせば、比較的短期間で点数を伸ばすことが可能です。そのため、まずはこちらで高得点をゲットすることを考えましょう。350点取れれば上々です。
逆に対策が立てにくいのがリーディング。こちらは点数を伸ばすにはある程度の語彙と文法への習熟が必要となるので、点数を短期間で伸ばすのは難しいです。250点取れれば上々と考えましょう。では、具体的にはどうすればいいのでしょうか?
リスニングで350点を取るための勉強法
まず、リスニングで350点取るための勉強法について考えて見ましょう。ポイントは「英語に耳を慣れさせる」ことです。TOEIC®の問題集を買って解いてみればわかりますが、問題として出題される内容はそれほど難しいやりとりではありません。「次の会議の日取りと場所」みたいな、ごくありふれたテーマでの会話がほとんどです。
でも、そんなやりとりが難しく聞こえてしまうのはなぜでしょうか。理由は簡単です。「普段英語を聞いていないから」です。耳慣れないものを聞いて、意味を理解するのは本当に難しいことです。その「耳慣れなさ」を解消すれば、ぐっと点数が上がります。では、どうすれば「耳慣れなさ」は解消できるのでしょうか?
興味がないものを聴くのはツライもの!
過去問を毎日聞き続けるのはツライだけ
勉強方法を考えるに当たって、頭に置いて欲しいことがあります。それは、「続けられるかどうか」ということです。いくらいい勉強方法だったとしても、続けることができなければ何の意味もありません。そのような視点から、巷で言われているTOEICの勉強方法について考えてみましょう。
リスニングパートの勉強方法として、「TOEIC®の過去問を聞きまくる」という方法がありますが、これは「続ける」という視点からはオススメできません。なぜなら、先ほども触れたように、TOEIC®の問題のやり取りは、日常の何気ない会話がほとんどであり、聞いていて面白いものではないからです。
考えてみてください。「会議のスケジュール」や「駅でのアナウンス」を延々と聞くなんて考えると、気が滅入りますよね。少なくとも私は無理です。
洋楽、CNN、メジャーリーグを見る、聴くだけでリスニング力がアップ
では、「続ける」という視点からはどういう勉強方法を取ればいいのでしょうか?
オススメなのは、「興味がある分野の話題を英語で聞く」ということです。現代はインターネットが発達しているので、さまざまな情報を英語で聞くことができます。
ニュースが好きだったら、CNNなどの海外のニュースを見る。野球が好きなら、メジャーリーグの中継を見る。音楽が好きなら、洋楽を聞いたり、カラオケで英語の曲に挑戦してみたりする。日常生活に英語を取り入れるチャンスはそこらに転がっているのです。
そんなことを繰り返していれば、確実に耳が英語に慣れていきます。まずはだまされたと思って、1ヶ月続けてみましょう。その上で、TOEIC®の問題に挑戦してみましょう。「あっ!解けるようになっている!」と思えるはずです。
リーディングで250点を取るための勉強法
次はリーディングです。先にも述べたように、リーディングは短期間で点数を伸ばすのが(リスニングに比べると)難しいです。「短期間では伸びない」と割り切って、まずは基礎を固めることに徹しましょう。では、基礎を固めるにはいったい何をすればいいのでしょうか?その方法についてお伝えします。
突然ですが、あなたは中学校3年分の英語の知識が確実に身についていますか?
学生時代に塾講師や家庭教師のアルバイトをしていて、英語を担当していたなら身についているかもしれませんが、そうでなければ、案外抜け落ちているかもしれません。大まかなことは覚えていても、細かい文法の知識などは忘れている・・・という人も多いでしょう。
しかし、これらの基礎知識がなければ、TOEIC®の点数は伸びないのです。点数を伸ばしたいなら、まずは中学英語を意識した勉強を行う必要があります。では、具体的にはどうすればいいのでしょうか?
中学英語を完璧にすれば、250点は十分射程距離に入る
恥ずかしがらずにやって欲しいのが、「中学英語の復習をする」ことです。書店に行けば、高校受験対策の英語の参考書がたくさん売っています。その中から自分の好みに合うものを1冊選んで、一通り解いてみましょう。一度で完璧に解ける、という人はあまりいない(たぶん、そういう人はこれを読んでいない)はずです。間違えた部分は身につくまで復習してください。その上でTOEIC®のリーディングパートの問題を解けば、6割くらいは得点できるはずです。450点×6割=270点前後で、無事250点の壁は突破できます!もちろん、ここからさらに点数を伸ばすには、ある程度の語彙や熟語の知識が必要です。しかし、基礎がある状態で勉強すれば、より深く身につけることができます。
簡単に勉強できる方法で基礎を固めることが近道!
結局のところ、短期間で点数を伸ばしたいと思うなら、基礎を完全に固めることが一番の近道なのです。まず、比較的伸ばしやすいリスニングから伸ばし、その上で、中学英語を徹底的に復習してリーディング問題にチャレンジする、という戦略を提案しました。
目標が達成できたら、さらに高得点を目指してスキルアップを図っていただきたいと思います。点数がなくて困ることはあるでしょうけど、高くて困ることはあまりないのですから。「Where there is a will,there is a way.(意志あるところに道あり)」の精神でがんばりましょう!